私たちの体の中には500から1000種類、数にすると500兆から1000兆個の細菌が生活しています。体内の細菌の質やバランスによって私たちの体の健康状態は変わってきます。体の中の細菌が住んでいる主な場所は、口、皮膚、鼻腔、胃、腸、膣などで、それぞれに独自の細菌の集団を形成して、バランスを保っています。中でも細菌が最も多く住んでいるのは「口」と「腸」です。そして、腸内の細菌の集団は腸内フローラ、口腔内の細菌の集団は口腔内フローラと言われています。
善玉菌 悪玉菌 日和見菌
私たちの体の中に住んでいる細菌は、大まかに「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌(ひよりみきん)の3種類から成り立っています。その3種類の細菌が占める割合は、人によって異なりますが、善玉菌の割合が高い人ほど健康で、悪玉菌が多い人ほど健康上のトラブルがあり、日和見菌は健康的な時には中立的なのですが、健康状態が悪くなると悪さを起こして、悪玉菌の味方になります。そのため出来るだけ善玉菌を優勢なフローラにしていくことが大切になります。
腸内フローラが悪化すると・・・・
便秘や下痢などのお腹の不調、肌荒れ、花粉症、アトピー性皮膚炎等や、加齢などによって腸内環境が悪化すると大腸癌、乳がんなどの悪性疾患や糖尿病、肥満などの糖代謝疾患や認知症や、関節リウマチのような自己免疫疾患の他、うつ病などの心の病気にまで関わってきているという報告もあります。
口腔内フローラ状態が悪化すると・・・・
口腔内環境の悪化により、唾液の分泌量が低下し、細菌が増え、虫歯、歯周病、口臭、口内炎、口腔カンジダ等のトラブルを起こしやすくなります。そして、歯周病が悪化すると歯周病菌由来の炎症性物質や病原因子が血管を通して全身へ回り始め、糖尿病、心臓病、動脈硬化、脳梗塞、早産、低体重児出産というような重大な症状を引き起こす危険性があります。また、歯周病菌が軌道に入ると肺炎を引き起こしたり、胃の方へ行くと胃潰瘍や胃がんの原因となることもわかってきています。口腔内フローラが乱れは、お口の中だけではなく全身の健康にも影響します。
適切な口腔ケアが腸内フローラの悪化を防ぎます。日々の口腔ケアをきちんと行う、歯科クリニックで定期的なケアを受診するということをしっかりと行うことで口腔内フローラが改善されます。
口腔フローラを整えることは全身の健康につながります。