「骨粗しょう症」とは
骨密度の低下によって骨が脆くなり、骨折しやすくなる病態で、原因としては「加齢」「女性ホルモンであるエストロゲン不足」「ビタミンDやカルシウムの摂取不足」などがあります。
背骨が体の重みで潰れてしまうことを「圧迫骨折」と言い、背中や腰が曲がるなどの原因となります。痛みなどの自覚症状がないため、単に腰痛だとして見過ごすことがあり、足の付け根は骨折すると歩行困難になり要介護になるリスクが高くなります。
「歯周病と骨粗しょう症との関連性」
骨粗しょう症にかかっている人は歯周病にかかりやすく、重症化しやすい傾向にあり、歯を失うと噛む能力が低下して、食物の消化吸収力の低下を招きます。その結果、ビタミンDやカルシウム不足、低栄養、骨粗しょう症を悪化させることになります。
骨粗しょう症の中でも「閉経後骨粗しょう症」は、骨代謝に関わる女性ホルモンのエストロゲンが分泌が低下することで発症します。エストロゲンの分泌が少なくなると全身の骨や歯を支える歯槽骨がもろくなり、歯周ポケット内では歯周病の進行が加速されると考えられています。(東京医科歯科大学大学院歯学総合研究科 論文抜粋)
日本歯周病学会会(2024年66巻第1号)の記事の中で「歯周病と骨粗しょう症のクロストーク」(松本歯科大学)が発表されました。臨床研究の結果、既存椎体骨折を有する閉経後の女性(骨粗鬆症患者)は、骨折なしの女性と比べて1.7倍高くはを喪失することが明らかになり、骨粗鬆症患者は歯周病発症リスクが高く、骨粗しょう症治療薬は、歯周病および顎骨壊死のリスクを軽減できた。つまり、骨粗しょう症は歯周病の増悪因子であるとともに、歯周病が骨粗しょう症の増悪因子である可能性が示された。
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