細菌と真菌が口の中で「悪魔合体」し、歯へのダメージを増大させていた

米ペンシルバニア大学の研究チームは、小児患者における虫歯の原因菌を調べていたところ、顕微鏡下で偶然にも2つの異なる微生物(細菌と真菌)が結合し、クラスターを形成していることを発見した。細菌と真菌が唾液内で結合することで、単独ではあり得ないような繁殖、拡散をし、虫歯の進行を早めていたことがわかった。

 


研究チームは細菌と真菌の結合体を指して、超生物(superorganism)と呼んでいます。一体どんな”悪魔合体”をしていたのでしょうか?(研究詳細 2022年10月3日「PNAS」掲載)

 

【拡散スピードが上がり、抗菌剤やブラッシングにも強くなる】

研究チームは唾液中の細菌と真菌の相互作用、及び歯面上のバイオフィルム形成のダイナミクスを調査しました。結果、「ストレプトコッカス・ミュータンス菌」が、同じく口内や皮膚にいる常在菌の酵母様真菌である「カンジダ・アルビカンス菌」の付属肢に付着できることを発見しました。

S・ミュータンスとC・アルビカンスはヒト唾液中において結合し、歯の表面に定着します。この結合体は細菌と真菌が単独の時に比べ、容易に歯の表面に付着しやすくなり、抗菌剤やブラッシングに対してより耐性を示すようになってきていることが示されました。

S・ミュータンスは基本的に自ら移動することはできませんが、C・アルビカンスは付属肢を伸ばすことで他のクラスターと手を結び、勢力を拡大します。

【まとめ】

口腔内における細菌と真菌の相互作用はバイオフィルムの特異な構造を引き起こし、歯とエナメル質の表面に広範囲かつ深刻な損傷を与える。細菌と真菌の結合を阻止する方法が見つかれば虫歯の予防や治療に応用できるかもしれないと研究チームは述べています。

参考文献

Microbes Can Form ‘Superorganisms’ That Crawl Across Our Teeth

元論文

Interkingdom assemblages in human saliva display group-level surface mobility and disease-promoting emergent functions


シトラバスターのGSE(グレープフルーツ種子抽出物)は東京医科歯科大学の「GSEが口腔カンジダのバイオフィルムを破壊」や神奈川歯科大学の「歯周病菌、虫歯菌、口腔カンジダ菌に対する有効性を証明」といったエビデンスを保有しています。

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